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第13回の紬人は、お笑い芸人の猫ひろしさんです。
「ニャー!」という挨拶や、「昇龍拳!」などのお馴染みのギャグで、テレビや舞台で大活躍の猫さんですが、今の姿があるのも最初の舞台があったから。活躍し続け、愛され続けている猫さんに、夢を叶える秘訣について伺いました。
やるからには思いっきり
ーお笑いを目指したきっかけは何ですか?
もともとお笑いを見るのは好きでした。大学4年のときに、高校時代の友人を誘って一緒に「ネタ見せ」、つまりオーディションを受けにいったんです。そこで受かって声をかけていただきました。
ー 最初の「ネタ見せ」から、いきなり声をかけられたのですか?
2回目です。最初に受けたときには落ちたんです。初回は初めて作ったネタですから「お笑い好きの人のネタ」で、誰かのネタ真似になってたんですね。これじゃ駄目だと思って書き直しました。自分のキャラを活かして作ったネタで声をかけてもらえたんです。それが、現東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんでした。まだ大学生だったので、一年間先輩の付き人をやり、大学卒業とともにデビュー。
ー初舞台はいつでしたか?
2001年3月、卒業式の次の日です。初舞台は、とてもキレイなものではありませんでした。友人が辞めてしまっていたので、ピンでのデビュー。漫談で普通に服を着てやろうとしたら、先輩に「お前、何考えているんだ。鏡を見ろ。顔も面白くて体も小さいのに、なんでそれを活かさないんだ」と言われたんです。さらに「コンテストは明日で間に合わないから、漫談でいいから全裸で出ろ」って。顔で「嫌だ」と訴えたんですけど、とにかくやれと…。
ーすごいですね。それで全裸でやったんですか?
もちろんです。デビュー戦で全裸は嫌だったんですけど、やるからには思いっきりやらないと、と思ってやったら優勝したんです。全裸で優勝っていうのもおかしいんですけど。初めてもらった給料が、その優勝賞金の10円でした。でも、その後、小屋(会場)の人が来て「猫ひろし、面白いけど、昼間から全裸は駄目だよ」って、使用禁止になりました。次の日に菓子折り持って謝りに行ったんですけど、しばらく出入り禁止になりました(笑)
やっぱ芸人はインパクト
ーどうして「猫ひろし」という名前を使うようになったんですか?
付き人のときに芸名が30回くらい変わりました。「東京ダイナマイトのハチミツ二郎の弟子なんだから、お前も当然、面白い芸名つけろ」といわれ、最初の芸名は「タランチュラ」です。「やっぱ芸人はインパクトがないと駄目だ」という理由でした。
ーたしかにインパクトがありますね。
でも日本語で毒蜘蛛ですから、僕、露骨に嫌な顔したんです。普通は「ビートたけし」のように名字と名前があるのに「タランチュラ」ってひとつじゃないですか、悪役のプロレスラーみたいだし、何かいい芸名がないかと思っていたら、当時、F1のマクラーレン・HONDAってチームがあったんです。これはカッコイイ名前だと思って、「タランチュラ・ホンダ」に変えようと考え、師匠に「僕は、タランチュラ・HONDAにしたいと思います」って言ったら「お前は、なんで先輩のつけてくれた名前を勝手に変えようとしているんだ」と怒られました。そこから芸名がバンバン変わっていきました。
ー本名は「ひろし」さんではないですよね。
本名は「瀧 邦明」です。一時期、「タキザキ」から芸名を取って「タッキー」にしたんです。でも、ジャニーズのファンから怒られたりするとヤバいから、一日で終了。猫ひろしの直前が「ミカミヒロシ」だったんです。それもすごい話で、俳優の三上博史さんが、若干背が低めということで、「お前も背が低いから、カタカナでミカミヒロシ」だって。そのまんまはちょっとと思い、「ヒロシ」は残り、猫が好きだから「猫ひろし」。昭和のベテラン芸人みたいで、最初は嫌だったんですけど。今となっては名前で仕事が来たりするのでよかったと思います。

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