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宮西ナオ子 早起き

プロフィール

生き方研究家・ライター・エッセイスト・インタビュアー・女性能楽研究家・博士(総合社会文化)。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。広告代理店、旅行代理店を経、トラベルライター・フリーライターに。主に環境問題、美容と健康関連、生き方についての記事を新聞・雑誌・単行本等に執筆・講演。
2003年日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻修士課程終了。2006年3月同大学院同研究科総合社会情報専攻博士課程終了。博士論文では女性能楽について研究し、現在、観世流能楽師足立禮子師の元で仕舞と謡を学ぶ。著書に『和ごころのある暮らし』(中経の文庫)『能楽と女性 一考察』(檜書店)など多数。
宮西ナオ子 公式サイトhttp://naoko-miyanishi.com/


ワクワクレスリング・イメージキャラクター 早稲火種くん

※1 半蔀(はじとみ):内藤左衛門作。源氏物語の夕顔の君を題材にした作品。
※2 後見(こうけん):舞台の上で、能楽師のサポートをする人物のこと。紋付袴姿で、鏡板の前に待機し、装束の乱れを直したり道具の出し入れを行う。また舞台で能楽師に何か事故が起こったときには、その代役を務めるという重要な役目を果たす。
※3 小袖曽我(こそでそが):「曽我物語」「吾妻鏡」を題材とした、曽我兄弟の仇討ちを題材とする「曽我物」と呼ばれる作品群の一つ。
紬人

夢はスペシャルオリンピックスの正式種目 何でも一番になったらいい 第11

第10回の紬人は、生き方研究家・「女性と能楽」研究家の宮西ナオ子さんです。お能の研究だけではなく、ご自身も実技を学び、能舞台に立たれる宮西さん。もともとは西洋文化に憧れており、日本文化にはまったく興味がなかったそうです。しかし、あるきっかけでお能を始めたことにより、日本文化だけでなく西洋文化への理解も深まり、どんどん夢を実現されています。今回は、和の世界の魅力と軽やかに夢を実現する秘訣について伺いました。


お能が和心理解のきっかけ

ー日本文化や和の世界について、なぜ興味をもったのか教えていただけますか?


 もともと和の文化を大切にする家庭に育ち、中学高校も仏教の学校だったのですが、私自身は欧米諸国に憧れていたので、日本文化に関心を示すことはありませんでした。ただ、なぜかわからないのですがお能には魅かれるものがあり、ずっと大人になってから、ある人に勧められて仕舞と謡を学ぶチャンスを得、それがきっかけで能舞台で舞ったことがあるのです。

ー すごいですね。いつ頃、どのようないきさつで?

  97年頃だったと思いますが、4月に発表会があり、そのとき能舞台に立つチャンスを得たのです。これも不思議な出会いがきっかけでした。その前の年、あるパーティで知り合った方から誘われたのです。毎日のように電話をかけてくださって。あまりにも熱心だったのでお稽古を見に行きました。そのときに初めて「お謡」と「お仕舞」を知り、見よう見まねでやってみたのですが、なかなか声は出ないし、舞も、今まで熱中してやってきたジャズダンスやフラメンコとは全然違うのです。難しいなと思っていたら、今度は、2ヶ月後に控えている発表会にでませんかと誘われたんです。私は舞台が好きなので、こんなチャンスはまたとないなと思い、2ヶ月特訓して「半蔀(はじとみ)※1」という仕舞を舞いました。そのとき初めて京都の能舞台で舞ったんです。そしたら本当に気持ちがよくて、とっても感激しました。

ーでは、そのままお能を続けられたのですか?

  その後、仕事が忙しくて一時、やめてしまったのです。ところが、それから3年後、産經新聞の記者をやっていたとき、日本大学の大学院にインターネットを使った通信制の大学院ができたということで取材に伺いました。そこで出会った上田(宗片)邦義先生が、お能とシェイクスピアを融合させた「シェイクスピア能」についてお話をしてくださり、しかも大学院に行けば授業としてお能が学べるっていうのです。それならば、大学院で学べば能をもっと広い意味で学んでいけるのではないかと思いました。

ーそれで、すぐに行動なさったのですか?

  2000年12月末に取材に行ったのですが翌年すぐに願書の締め切り。無理だと思ってはいるのですが、不思議なことに身体が勝手に動いているのです。大学に成績証明書をもらったり病院に行って健康診断書を取ったり。仕事も忙しいしお金もない時期だったので、頭では「できっこない」と思っているのですが、「不思議な力」に導かれるようにして、どうにか受験申請を出し、試験を受けたら合格して、大学院に入ることができたのです。

ー本心ではお能を学びたかったということですね。宮西さんは、英語能の舞台にも立ったそうですが?

  大学院に入ってすぐゼミ生で演じた『英語能ハムレット』では、オフィーリアを演じさせていただきました。その舞台ですばらしい経験をしたので、もっとお能を学びたくなり、以前から憧れていて、大学院生で演じた舞台の後見※2もお願いした観世流能楽師の足立禮子先生に弟子入りしました。2007年には『小袖曽我※3』のシテ(主人公)を舞わせていただきました。古典能のシテをやるのは、実はお金もかかるし大きなプレッシャーもあって大変なことなのですが、本当に充実した気分でしたし、大きな達成感がありました。

ー宮西さんにとって、お能の魅力って何でしょう?

 
すべてのものを「生かす」精神でしょうか。能の大成者、世阿弥さんが「寿福増長(じゅふくぞうちょう)」と書いていますが、これは「皆さんの平和と幸せを願う」ということ。それがお能のコンセプトだと思います。それにお能で使われている言葉はとっても美しい。言霊が宿っているように思います。しかもお能は「暗記の芸術」ですから、何度も繰り返し謡うことで、心身が活性化し、その場を清めることになるように思います。お能に関心をもったり、謡や仕舞を学ぶことで、「和の精神」を体感できるようになったのがよかったと思います。

宮西ナオ子 能楽
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